◆ 地元FM局と長電話30分超 ◆
愛知県長久手町で元暴力団組員大林久人容疑者(50)が自宅に立てこもり、発砲で4人が死傷した事件で、人質だった元妻の森三智子さん(50)がトイレから脱出した際に大林容疑者が電話していたのは、地元FMラジオ局の人気男性ディスクジョッキー(DJ)だったことが19日、分かった。通話時間は30分以上で、結果的にこの長電話が森さんが逃げ出す格好の“アシスト”になった形だ。
◆ 大林容疑者「復縁したくて…」事件経緯説明 ◆
名古屋市のFM局ZIP-FMによると、このDJはジェイムス・ヘイブンスさん(36)。日本人の母、元米海軍軍人の父を持つ、日米育ち。同局が開局した93年に名古屋へ移り住み、午前7時から10時までDJを担当したワイド番組は、4年半後の番組終了まで地元で圧倒的聴取率を獲得。まさに“朝のFMを変えた男”ともされる東海地区の人気者だ。
大林容疑者が最初にFM局に連絡してきたのは、18日午前10時35分ごろ。代表番号に直接電話し「例の事件の当事者だ。放送中の番組のDJと話がしたい。犯行の動機を話したい」などと冷静な声で伝えた。FM局側は態度を保留し電話を切ろうとしたところ、大林容疑者は自宅の電話番号を教えたという。
ヘイブンスさんが電話したのは18日午後2時すぎ。県警の捜査員と同局の清水博編成局長が立ち会いのもと、大林容疑者の自宅に電話をかけた。
ヘイブンスさんからの待望の電話に、大林容疑者は「家庭内でトラブルがあった。離婚した元妻ともう一度、やり直したかった。(関係の)修復のために話をしようとした」などと30分以上、立てこもりの経緯や理由を説明。ヘイブンスさんによるとこちらから話し掛けようとしても「僕の話を聞いてくれ」と遮って話し続け、家庭内暴力(DV=ドメスティックバイオレンス)に対して「お父さん失格」などと話していたという。
しかし、森さんが保護された午後2時50分ごろ、突然、大林容疑者が一方的に電話を切った。FM局内のテレビで森さん脱出の一報が流れたのは、その直後。「電話をしてる最中に逃げたのか」と清水編成局長らは思ったという。
以前、ヘイブンスさんのラジオ番組に電話出演したと話している大林容疑者。ヘイブンスさんは「ぼくとなら話せると思ったのかな…」と話していた。
★ジェイムス・ヘイブンス 1971年(昭46)1月2日、神奈川県横須賀市生まれ。生後間もなく渡米し、7歳までテネシーやバージニアで生活。その後、10歳まで日本で過ごし、再び10~13歳までフロリダに滞在。横須賀米軍基地内のハイスクール卒業後、3年間のサラリーマンを経て、93年、ZIP-FMでDJデビュー。音楽活動としては「ナゴヤドーム」の公式ソングなどをリリース。各地で講演会をするなど幅広く活躍中。独身。
http://www.sponichi.co.jp/osaka/soci/200705/20/soci205956.html
ZIP-FMは名古屋の誇りですな

PR